もくじ
ADHDのぽんさんと暮らして感じた「言った言わない問題」
ADHDのぽんさんと凡人の私。
当初、避けては通れず、しょっちゅう口論になる問題があった。
それが「言った言わない問題」。
「今週の金曜、ご飯外で食べない?」
「えっ?残念だけど今週の金曜は会社の飲み会だから無理だよ~。この前言ったじゃん!」
「聞いてないよ」
「言ったよ!?」
なんてことがしばしば…。
伝えたのに伝わらない、もどかしさ
ぽんさんから外出に誘われた時に一緒に行けないことが悲しいし、その後あまり誘ってもらえなくなったりするので、私からするとぽんさんからのお誘いはできれば断りたくない。
だからこそ、事前に伝えてある私の予定をすっかり忘れて、断るしかないお誘いをかけられるのが心苦しい気分だった。
それが本当に多かった。
何かしながら話すだけじゃ覚えてもらえないと察してLINEで伝えるようにしてみたけれど、あまり効果なし。
いちいちLINEを遡らないからだ。
「聞いてないよ、いつ言った?」ともし言われたらLINEを引用できるけれど、わざわざ証拠を突き付けてドヤ顔したいわけではないし…。
ぽんさんも、私が伝えた話を忘れているだけで、私と過ごす時間のことを考えてくれている。
「今度久しぶりに映画館でも行く?」
「(週末は家で古い映画観ようって一昨日言ってたのになぁ…)」
となって複雑な気持ちになることもある。
昨日のぽんさんが「一番したかったこと」は、今日のぽんさんの「一番したいこと」であるとは限らない。
それは、私からするとめちゃくちゃ難しかった。
テレビを見て「美味しそうだね」と言っていたスイーツ店のお菓子を、サプライズで買って帰ってもそのことを忘れていたりする。
「この前テレビでやってたやつだよ」と伝えて初めて「ああ!あれか!」とワンテンポ遅れて喜んでくれるのだ。
忘れていることが多いけれど、そうやってヒントを言うとぽんさんは結構思い出してくれることが多かった。
LINEで伝えてもダメだった…私たちがたどり着いた解決策
ただ、予定に関しては「言ったのに…」と悔しくなることが多い。
予定を忘れられていた私も、せっかく提案したのに断られたぽんさんもがっかりするので何もいいことがないのだ。
そこで私からの提案で、共有カレンダーのアプリを使うことにした。
色々調べた結果、シンプルで使いやすそうなもの。
これならば、自分で入れた予定をぽんさんも見ることができて、予定を登録した時に通知もしてくれる。
これを使うようになってから、マジで生活が変わった。
最初の頃はなかなか定着しなかったけれど、ぽんさんが「次の日曜日、友達と遊ぶことになった」とか言った時に「はーい、カレンダーに入れといて!」と言っているうちに率先して登録してくれるようになっている。
そしてカレンダーを見て私の予定を確認してくれるようにもなった。
共有カレンダーで気づいた、ぽんさんの優しさ
このカレンダー絡みで以前感動したことがある。
それは片道一時間半ほどの距離にある観光地へ日帰り旅行に行った時のことだった。
予定を立てるのが苦手なぽんさんが、率先してその観光地の名所や食事、寄るところを調べて、「〇〇から△△までは徒歩10分、その次はバスで移動」なんて細かい移動経路まで調べてくれて、全部カレンダーに登録してくれていたのだ。
その日一日に登録した予定はすごい量になったけれど、おかげでしっかり観光することができた。
カレンダーだけでなくメモにも登録してくれていて、おかげで有意義な日帰り旅行をすることができた。
完璧じゃなくても、大丈夫。これからも小さな工夫を重ねて
カレンダーひとつで、こんなにラクになるなんて思わなかった。
本当に、もっと早くやればよかったと思う。
もちろん全部がうまくいくわけじゃない。忘れたり、すれ違ったり、ちょっと泣きたくなる日もある。
それでも、ぽんさんとなら、きっと大丈夫だと思う。
小さな工夫を重ねながら、今日も、明日も、一緒に暮らしていく。
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