もくじ
「一緒に眠る」が毎晩の楽しみになった日から

ベルをお迎えしてから半年くらい経った頃、ベルも人の布団の中で一緒に寝るようになった。
だいたいいつも私とぽんさんの間の真ん中部分で眠るベルだけど、時々ぽんさんか私の脚の間で寝ることもある。
一緒に寝てくれるのが嬉しくて、毎晩布団に入るのが楽しみになった。
たぶんベルも一緒に寝るのを楽しみにしているようで、夜更かしした日は布団で先にスタンバイしていることもある。
可愛い寝顔と時々布団の中から聞こえる寝言、小さなぬくもりに癒される日々。
この記事では、そんな「いつもの夜」を少しだけ紹介したい。
ベルと布団を共にするまでの小さな変化たち

最初、夜はベルをケージに入れて眠るようにしていた。
ケージの中のベッドで丸くなって、朝になってケージを開ける感じ。
子犬だったこともあり、自由にしてしまったら思いがけず怪我をしてしまうかもしれないし、人の目の届かないところで何かやらかすかも…という心配もあったから。
ケージの中はその点安全ではあったけど、ベルは嫌そうだった。
甘えん坊なベルは人と一緒にいたかったようで、大きくなるにつれて夜ケージの中に入るのを嫌がり、クンクン鳴いていることもあった。
胸が痛んだ私たちはケージの外に広めのサークルを置いて、少しケージより動ける範囲を広めつつ安全を確保した。
さらにサークルの外に布団を持って来て、ベルから見える、すぐ隣で寝ることに。
ベルはいつもケージの中に置いてある犬用ベッドをくわえて人の布団のすぐ隣に持って来ると、柵越しに一番人に近いところで寝ていた。
あまりに健気で、試しに30分だけ一緒にお昼寝をしてみたところ、ベルはすごくいい子にしていた。
「人と一緒に寝てもいいのかな?」と色々調べた後、お世話になっている獣医さんに相談してみると、「本人(犬)はその方が嬉しいのでは?無理強いとか踏んだりとかしなければ一緒に寝てあげたらいいと思うよ」という助言をもらえた。
プロの目線のアドバイスは本当にありがたい。
そこで、犬用のベッドも置きつつ人の布団でも寝られるようにしてみたところ、ベルは毎回人の布団の中に入ってくるようになった。
毛布を噛んだり、布団に粗相をしてしまったりと問題もあったものの、成長とともにそうした行動はなくなっていった。
こうして、一緒に寝るのが定着するようになる。
眠る前の、わが家のゆるっとルーティン

寝る前にはトイレシーツとベルの飲み水を交換する。
どうせなら替える前にしてくれたら…と思うのだが、ベルは新しい飲み水に変えた後はちゃぷちゃぷ言いながら水を飲み、用を足す。
それからベルの歯磨きをする。
歯を磨きたい人間と、歯ブラシを噛みたいイタグレとのバトルの時間でもある。
それからぽんさんと私が自分たちの寝る準備を済ませる間、ベルは椅子に乗ったり布団で座っていたりしながら待っている。
電気を消して二人で布団に入ると、ベルは真っ先にぽんさんの顔と耳を舐める。
これはたぶんベルの中で欠かせないルーティン。
私も舐められるけれどぽんさんほどではないので、たぶんぽんさんの顔が美味しいのだろう。
顔をたっぷり舐めて満足したベルは、水を少し飲んでから戻ってくる。
そのあと私とぽんさんの顔を順番にくんくんとチェックし、『異常なし』と判断すると、ようやく布団に入る。
といってもベルは自分で布団を持ち上げられないので、ぽんさんか私が布団を持ち上げて待期している必要がある。
ウトウトしていたり、スマホを見ていたりして布団を持ち上げていない時は、前脚で控えめに布団や顔をカリカリされる。
布団ならともかく顔をカリカリされると結構痛いので、そんな時は「分かった分かった!」と言いながら慌てて布団を持ち上げる羽目になってしまう。
布団に入ったベルは、ぽんさんと私の間の空間でベスポジを探す。
だいたいはお腹のあたりに落ち着く。
くるくるくるくる…いつも3~5周は回るだろうか。
ベルが眠い時のくるくるは半周にも満たないので、回る回数はたぶんその日のベルの気分次第。
丸くなって、自分の前脚や近くにある人の手をペロペロ舐めて、そのうち本格的に寝る気分になったら「ぷすん」という空気が抜けたようなベルの鼻息が聞こえてくる。
「ぷすん」の後、すぐにベルは小さな寝息を立てて寝始める。
くるくる、ごろーん。ベルの寝相観察記録

最初は丸くなって寝ているのに、寝ているうちにベルは四肢を徐々に伸ばし始める。
イタグレは手足が長い。
その日の向きによるけれど、私側に背中を向けて手足を伸ばすことが多いので、ぽんさんはベルの伸ばした足に蹴られる形になる。
大変リラックスしてくれているのだけれど、長い手足をまっすぐ横に伸ばして寝るので、ぽんさんのスペースがどんどん狭くなっていく。
ぽんさんの脚の間で「ぷすん」が聞こえてきた時は、ぽんさんが寝返りを打てなくなるので、手足を伸ばし始めて寝ているベルをそっと持ち上げて私の腕枕の位置に連れてくることがある。
ベルはさすがに目を覚ますものの、わざわざ移動しようとするほどではないようで、そのまま私の二の腕に頭を預けて爆睡してくれる。
私は至近距離から聞こえる小さな寝息と、穏やかな呼吸音で揺れる体、腕に感じる小さな重みに幸せを噛み締める。
ちなみに冬はもっと人にぴったりくっついて寝るので、寒い時期は本当に幸せ。
犬の体温は37.5度~39度くらいなので、人間よりも少し高め。
だから夏にぴったりくっつかれると暑いけれど、暑さによる不快感よりもベルがくっついてくれることの幸せの方が大きい。
今夜も「ぷすん」でおやすみなさい

ベルと一緒に寝る日々は幸せだ。
朝目を覚ますと、体の一部にぴったりくっつく温かい存在がある。
そこでベルが寝ているのだと分かってほっこりするところから一日が始まる。
ベルと暮らすまで、朝ほっこりすることなんてそうそうなかったのに。
ベルはただそこで寝ているだけなのに、究極の癒しだ。
ベルの「ぷすん」が聞こえてくると、ぽんさんと私は顔を見合わせて小さく笑う。
まるで「おやすみなさい」と言っているようだ。
きっと今夜も「ぷすん」とともに、幸せな夜が更けていく。
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