犬が急にごはんを食べなくなる理由は?試してよかった3つの方法

ごはんにがっつかないワンコ

ベルは、もともとごはんにがっつくタイプの犬ではなかった。
意外だった。
昔飼っていたウサギはご飯が大好きで毎時間駆け寄ってきていたし、ぽんさんの実家にいた犬もそうだったという。
友達の犬もみんな、ごはんの時間になると大興奮で、目にも止まらぬ勢いで完食する。

種類にかかわらず、動物はだいたいごはんが好きだと思っていた。
でもベルは、そういうタイプじゃなかった。

犬にとってのごはんとおやつの違いとは?

ちなみにおやつは大好き。
ごはんは完食するけれど、どちらかというと食後にもらえるガムのためにごはんを食べているようなところがある。
温度差がすごい。

調べてみると、犬にとってのカリカリは人間にとってのおかゆみたいなもので、おやつはハンバーガーみたいなもの、という言葉もあった。
たしかにハンバーガーが食べられるならおかゆをわざわざ食べる気にはならないかもしれない。
だけどカリカリは栄養バランスを考えて作られている。
おやつばかりでは体調を崩してしまいかねない。

心配して病院へ…でも原因は?

時々、ベルは全然ごはんを食べようとしなくなることがあった。
「待て」「よし」で食べ始めるどころか、すくっと立ち上がり、布団に逆戻り。
くるくる回って丸くなって、まさかの二度寝。

最初にこれをやったときは、まだベルが1歳にもなっていなかった頃だった。
当然、私もぽんさんもめちゃくちゃ心配した。
「ごはんを食べないなんて体調が悪いんじゃないか?」と焦り、すぐに動物病院へ。

診てもらった結果、体調には特に問題なし。
元気もあるし、おやつも食べる。
それなら「かまってアピール」の可能性があるかもしれない、とのことだった。
私たちはやや拍子抜けしながら医師の説明を聞く。

それでも、暑さや寒さで食欲が落ちることはある。
できれば食べるよう工夫してみたほうが、体力を落とさずに済むからいいかもね…くらいのことを言われた。

ふやかす・温める・手であげる

ベルは子犬のころ、カリカリをお湯でふやかして与えていた。
だから、ふやかしたごはんなら食べるかもしれない。
そう閃いて医師にそれを伝えると、「それはアリ」だと頷いてくれた。

ついでに、カリカリを温めるのも効果的だと教えてもらった。
温めるとカリカリのニオイが強くなるので、食欲増進の効果があるという。

実際、ふやかして与えると、ちょっとめんどくさそうな顔をしながらも少しずつ食べてくれた。
レンジで10秒ほどチンして温かくしてから与えると、これも効果があった。

それでも時々、飽きたのか手(口)が止まってしまうことがある。
そんな時は手の平に少しずつ載せてあげると、「しょうがないなあ」という顔をして、食べてくれた。

食べない以外に体調の悪そうな様子はなかった。
だから、「今はそういう時期なんだな」と思うことにした。
実際、しばらくするとまた普通に食べるようになる。

今でも、ごはんの時間なのに昼寝を優先していることはある。
眠気>食欲らしい。

ごはんを替えてみたけれど…

成長してからも度々そういうことがあったので、ぽんさんは「同じごはんばかりで飽きたんじゃない?」と首を傾げていた。
なるほど!と思って、ごはんを新しい種類に変えてみることにした。

もちろん、いきなり全部を新しいフードにはせず、少しずつ混ぜながら変えていった。
新しいごはんには最初ちょっと興味を持ったようで、何度か食べてくれるものの、そのうちまたプイッとされてしまった。

そんなときは、またあの手この手で工夫する。
ふやかす、温める、手で与える。
ふやかしたり温めたりしている私たちの姿を、ベルはじっと見つめて待っている。

たぶん甘えたい時なのかなと思うけれど、手のひらにごはんを乗せないと食べない時もあった。
ふやかしたご飯を前に、じっとこちらを見つめてきて、手のひらに乗せたら待っていたかのように食べる。
だから「手から食べたい」と目で訴えられている気もする。

世話が焼ける。でも、それもまた愛おしい

「世話が焼ける」とぽんさんと私は目を合わせて苦笑する。
「こんなにごはんを食べようとしない犬は初めて見た」とぽんさんは笑っていた。

だけどそれでも、元気なら構わない。
動物病院で相談したおかげで、私たちはベルがごはんを食べなくても焦らずに余裕を持って見守れるようになった気がする。

それに、ベルのそんなところもまた愛おしかった。
今日もまた、ごはん<お昼寝のベルの姿に、私とぽんさんは目を合わせて笑う。