飼い主のエゴ?必要な配慮?イタグレ服のリアルな話

犬に服なんて…と思ってた私が、イタグレ服にハマるまでの話

「犬に服を着せるなんて、飼い主のエゴじゃないのかな」
昔の私は、そう思っていた。

見た目はかわいいかもしれないけど、犬にとっては迷惑じゃない?
自然のままでいるのが一番なんじゃない?

そんなふうに考えていた私だったけど、イタグレのベルを迎えてから、少しずつその考えが変わっていった。

犬に服を着せる理由なんてあるの?

ベルはイタグレ(イタリアングレーハウンド)という犬種で、毛が短くて皮下脂肪も少ない。
そのせいか、ちょっと涼しい日でもブルブル震える。
真冬になると、日向にいても、足がガクガクして止まらなくなることもあった。

このとき、初めて「犬にも防寒って必要なんだ」と実感した。

もちろん、すべての犬が服を必要としているわけではない。
でも少なくともベルにとっては、寒さから身を守る「防寒具」として、服が必要だった。

「かわいいから」じゃなくて、「健康のために着せている」。
そう思ったら、なんとなく納得できたし、服を着せることにも罪悪感がなくなった。

無理に着せるのは違うと思うけど、ベルが震えている姿を見てからは、「これは必要なことなんだな」と思うようになった。

犬に服を着せるメリットとデメリット

メリット

  • 防寒になる(寒がりな犬種には必須)
  • 汚れ防止になる(公園や散歩帰りの泥はね防止)
  • シニア犬や皮膚が弱い子には保護の役割も

デメリット

  • サイズが合っていないと逆にストレスになる
  • 嫌がる子もいる(無理強いはNG)
  • 静電気などでかゆくなる子も

イタグレの服、サイズ選びの沼

とはいえ、ここで問題が出てくる。
イタグレって、とにかく体型が独特すぎる。

一般的な犬服だと、首回り・胴回り・着丈の3か所を測ってサイズを選ぶ。
でも、イタグレの身体はそれじゃあなかなかうまくいかない。

何が大変かって、胸板が厚い。
そして首が細い。

胴回りに合わせて選ぶと、首がぶかぶか。
首回りに合わせると、胴がパツパツ。
丈を合わせると、またもや首がぶかぶか…ということが何度もあった。

おしゃれで可愛い服を買ってみたはいいけど、いざ着せたら「きつそう」「歩きにくそう」「フードが目にかかる」など、何かしらの問題が出てくる。
正直、何着かは完全に失敗だった。

イタグレ専用の服にたどり着く

そんな試行錯誤の末にたどり着いたのが、「イタグレ専用服」を扱うお店だった。

首の長さ、胸板の厚さ、ウエストの細さ…
どれもちゃんと考慮されて作られていて、ほとんど失敗がなくなった。

うちでは、「首回りがきつかったら即NG」「ベルが固まったらNG」というのが基準になっている。
逆に、ぶかぶかすぎても危ないのでアウト。
見た目よりも、着心地や動きやすさを重視している。

安心の老舗

イタグレ専用服ではなくても、安心して買える店がある。
犬のグッズを専門的に取り扱うお店。
ベルをお迎えしたペットショップで最初に買った服のメーカーだ。

ストレッチ性が高くて、肌触りもいい。
最初に着た服と同じメーカーだからか分からないけれど、ベルももれなく気に入ってくれる。
だから私にとっても安心して買える服なのだ。

嫌がるときは、無理をしない

どんなにサイズが合っていても、ベルが極端にガッカリしているときは、その服はやめるようにしている。

服を着せた瞬間、「ふぅ…」とため息をついて俯いたり、ベッドに潜って出てこなかったり。
そうなったらどんなに可愛くても、ベルが嫌がるならお休み。
やっぱり大事なのは、ベルが快適に過ごせることだから。

ちなみに着せた服をベルが気に入った時には、ふんふんと服を嗅いだ後、トテトテと歩いていつも通り丸くなったり水を飲みに行ったりする。
そういう姿を見ると「買って良かった」と思ってほっこりする。

気づけば服選びが楽しくなっていた

最初は「仕方なく」だったイタグレ服選び。
でも最近は、気づけば楽しみながら選んでいる自分がいる。

「これは喜んでくれるかな?」
「この色、ベルに似合うかも!」

そんなふうに考えるのが、ちょっとした日々の楽しみになっていた。
気づけば、ぽんさんに「また買ったの!?」「買いすぎじゃない?」と何度も突っ込まれるくらい、服が増えていた。

でも、ベルがぬくぬくして気持ちよさそうにしているのを見ると、「買ってよかったなぁ」と思うのだ。

犬の服には、飼い主の愛が詰まってる

犬に服を着せるなんて、最初はただの「人間の自己満足」だと思っていた。
でも今は、ちょっと違う考え方をしている。

たしかに、犬は服がなくても生きていける。
でも、「より快適に」「より安心して」暮らせるなら、それは十分、意味のあることだと思う。

そして、サイズが合う服を探して悩んだり、似合う色を考えてワクワクしたりする時間には、たぶん私の「好きだよ、大切だよ」って気持ちが詰まっている。

そんなふうに、最近はちょっとだけ思えるようになった。
だから今日も、ベルに似合う服を探している。