もくじ
永遠のいたずらっ子・ベル
イタグレ・ベルとの暮らしには、毎日ちょっとした「事件」が起こる。
やっと洗濯した靴下が片方見当たらない朝。部屋に入ると、なぜかマットの端っこがベロベロになっている午後。鞄の中から消えた充電ケーブル。
――犯人は、もちろん我が家のいたずら王子、ベル。
困る。正直に言えば、かなり困る。
でも、それでもやっぱり、愛おしくてたまらない。
そんな“くすっと笑えるイタズラ記録”を、ここに書き残しておこうと思う。
靴下とマスクはベルの戦利品

ベルが特に好きなのが、「靴下」と「マスク」。
脱ぎっぱなしにしておこうものなら、そーっとくわえてスタスタと「自分のベッド」として認識しているであろう私たちのベッドへ運んでいく。
もはやお気に入りの靴下は数足、正式にベルのものとして諦めている。
靴下を奪って満足して、抱えたまま寝落ちしている姿は本当にかわいい。
マスクに関してはちょっと神経を使う。
大好きで追いかけ回すくせに、針金のところを噛みはじめるとちょっと怖いので、そのあたりで「ちょうだい」と奪い返す。だいたい針金が露出しそうなあたりでタイムリミット。
どうしてそんなに靴下とマスクに目がないのか、本当に不思議。
たぶんぽんさんや私が着けたから、私たちのニオイがついてるんだろうけど。
ゴミ箱は宝箱?パカパカ職人ベル
ベルの観察力は鋭い。
蓋つきのゴミ箱にも、すぐに“チャンス”を見つけてくる。特にティッシュやマスクが入っていると、「これは自分のもの」と思っているのか、鼻先で器用に蓋をパカパカ開けて中身を漁ろうとする。
さすがに危ないので、我が家では「ゴミ袋は早めに交換」「蓋の上に重しを置く」の2段構えで対策。
でもたまに、「ゴミ箱パカパカ選手権」でも開催してるのかってくらい、ノリノリで開け閉めしてる時がある。
ゴミ箱パカパカの音が聞こえてきて、ぽんさんが低い声で静かに一喝すると、「やべっ」という顔で慌てて走ってくる。
「何もしてないよ」と言わんばかりに足元に座ったり、ぽんさんの膝に飛び乗って甘えたりする。
「怒られる」→「可愛がられる」にシフトチェンジさせるのが本当に上手。
暇だとおもちゃを投げてくるベル

ぽんさんと私が会話に夢中になっていると、ベルはしびれを切らす。
で、どうするかというと、おもちゃをぽいっと私たちの足元に投げてくるのだ。アピール力がすごい。
時々腕や足の指に当たったりして地味に痛い時もあるけれど。
忙しくて遊べない時は投げ返さない。投げ返すとベルはやる気満々で飛びついてくるから。
投げ返せない時は、目を合わせずに近くに置いておくだけにしている。するとベルは、「まぁいいか」と納得したように、またひとりで遊び始める。健気。かわいい。
スウェットの紐でくつろぐベル

ぽんさんと私のスウェット、特に部屋着の紐は、ベルにとって最高のガム。
膝に寝転がって、延々と紐を噛み続けている。寝そべってはカミカミ。ちょっと体勢を変えてはカミカミ。
最高にくつろいで、お腹を出しながらカミカミする。
その様子は、まるで赤ちゃんのおしゃぶりみたいにも見える。
その結果、何本かのスウェットはもう“紐とは呼べない”状態に…。
完全に彼のガジガジ専用ウェアとなった。
その程度でベルの「安心」と「嬉しい」が買えるなら安いもの。
今まで何度スウェットを買い替えたことか。
ただ、子犬の頃より頻度は下がってるかもしれない。
今は紐を噛み千切ろうとするより、しゃぶりつつ腕を舐めて寝落ちすることが多い。
紐を口元に置いて、とろんとした顔で眠っている顔も愛おしい。
紐が好きなのは百も承知だけど、私たちを信頼してくれている気がして嬉しくなる。
「構って」サインはマット破壊で
甘えん坊のベルは、構ってもらえない時間が長くなると「破壊活動」に入る。
特に狙われるのが、犬の足腰に優しいと評判の、あのジョイント式のフロアマット。
ペリペリと剥がし、それをガジガジ…。
こっちをチラチラ見ながらやるので、「これ、やったら怒られるって知ってるのにやってるよね?」と問い詰めたくなる。
叱るよりも、ちゃんと向き合ってあげる方が大事なんだなぁと、日々反省。
本当はジョイントマットの方が良いんだけど、今では粘着式の床に貼れるマットを採用した。
これなら剥がせまい。
でもきっとベルのことだから、思いもよらない切り口で新たないたずらを生み出すのだろう。
鞄は“お宝の山”らしい
うっかり鞄を床に置いてしまうと、最後。
ハンカチ、ポケットティッシュ、充電ケーブル……とにかく何かしらを見つけて、こっそりくわえて持ち去っていく。
鞄に入っていたボールペンやヘアクリップが破壊されたこともある。
そのへんのものはまた買えばいいので諦めもつくけれど、ベルがそういう破片を誤飲していたら大変なことになってしまう。
以来、鞄は「ベルが入れない場所」に置く、というルールが徹底された。
それにしても、どうしてそんなに“人のもの”が好きなんだろう?
ベルのおもちゃもたくさんあるのにね。
「困るけど、幸せ」な毎日

いたずらは、確かに困る。
でもそのひとつひとつが、私たちに笑いをくれて、暮らしの彩りになっている。
いたずらをしたあとに見せる「えへへ」みたいな表情も、決して忘れられない。
注意してもすぐに忘れて同じことを繰り返すけど、そんなところもまた、愛しい。
ベルがくれるのは、ただの癒しじゃない。
怒ることもあるし、困ることもあるけれど、それごと全部ひっくるめての「家族」なのだと思う。