もくじ
「夏でも冷えるんです。」寒がりイタグレと暮らして気づいたこと

「イタグレ(イタリアン・グレーハウンド)は寒がりな犬種です」
イタグレを飼っている方、あるいはこれから飼おうとして調べたことがある方なら、一度は見かけたことがあるであろうこの言葉。
細くて短毛で、脂肪が少ないイタグレは、一般的に「寒さに弱い」と言われている。
うちの愛犬・ベルも例外ではなく、冬になるとまん丸になって震えていることもしばしば。
だから私も、冬の防寒対策にはかなり気を使っていた。
ぬくぬくのベッド、厚手の洋服、ヒーターに加湿器。
「ベルが風邪を引かないように!」と、まるで赤ちゃんのように過保護になっていたのを思い出す。
でも、実際に暮らしてみて分かったことがある。
イタグレが寒がるのは冬だけじゃない。
人にとっては暑くて仕方ない夏でさえも、油断できないってこと。
エアコンで冷えすぎる、イタグレの夏

夏といえば熱中症対策。
「犬は汗をかけないから体温調節が苦手」とよく言われる。
ベルが暑さでぐったりしたら大変だ!と、私も夏を迎えるたびにエアコンの稼働を開始する。
真夏の我が家の設定温度はだいたい28度。
「どうしても暑くて無理!」と感じるときだけ27度に下げるという、かなりエコ寄りな使い方。
なぜなら寒がり王子・ベルがいるから。
ベルが来る前までは24度、25度なんてザラだった。
でも、ある日ふと、いつものように膝の上で丸くなったベルの耳を触ったら冷たくなっていた。
体も手足も温かいのに、耳だけひんやり。
「ん?こんなに暑いのに、なんで耳だけ冷たいんだろう?」と不思議に思い、そこから調べてみると——
犬の耳は体温の変化を感じやすい部分で、冷たくなっているときは体が冷えているサインなんだとか。
「え、じゃあベル、寒かったの!?これで!?」
その瞬間、私の“夏=暑さ対策”の意識は覆された。
そして我が家のエアコンは、基本的に27度以下で働くことがなくなった。
クールマットは倉庫行き、夏服は日の目を見ず
「夏は暑いから、ひんやりグッズが必要!」
そんな思いで買ったクールマット。
犬猫向けのひんやりグッズは最近すごく増えている。
接触冷感素材でできていて、見た目も可愛い。
人間が触っても「おお〜冷たくて気持ちいい!」と思えるほどの優れモノ。
……でも、ベルは一切乗らない。笑
冷たい感触が嫌なのか、マットの上に置いてもすぐ移動してしまう。
気づけばそのまま押し入れ行き。
お洋服も同じ。
夏用の、ひんやり素材でできた可愛い服を何着か買ってみましたが、着せた瞬間、テンションだだ下がり。
イタグレって服好きな子も多いけれど、ベルは“裸族派”。
ありのままの姿になった途端に「よっしゃー!自由だ!!」と言わんばかりに縦横無尽に部屋中を走り回る。
それまでも自由だったのにね。
「せっかく買ったのに…」「あぁこれもダメだったか…」という私の気持ちも知らず、本人(犬)はふかふかベッドで満足そうに丸くなっている。
「暑いのにくっついてくる」イタグレあるある
冬でも夏でも関係なく、ベルはとにかくくっついてくる。
座っていれば膝の上。
横になればお腹のあたり。時々胸のあたり。
夜寝るときは、タオルケットの中にズイッと潜り込んできて、ぽんさんか私の体にぴったりとくっついて安心しきった寝顔を見せながら眠る。
可愛い…可愛すぎる……
でも……暑い!!!!(笑)
こっちはじっとり汗をかいて目が覚めるほどの密着感。
けれど、離れるのがもったいなくてそのまま寝かせてしまう。
だからこそ夏は特に、満足感のある寝不足が多かった。
夏は「暑さ」だけでなく「冷え」にも要注意

夏の犬の健康管理といえば、まず思い浮かぶのは熱中症。
もちろんそれは大事だけど、それと同じくらい——いえ、イタグレにとっては「冷え」もかなり重要。
犬は「寒い」と口では言えない。
だからこそ、耳や肉球の冷たさ、体を丸める仕草、やたらと飼い主にくっついてくる…
そんなちょっとしたサインに私たちが気づいてあげることが大切だから。
我が家では今、エアコンの風が直接当たらない場所にベル用のふかふかベッドを用意し、
冷えすぎないよう風向きを調整したり、体が冷えたときはブランケットをかけたりしている。
当然、真夏のお散歩は時間帯を比較的涼しいはずの夜にしても熱気と湿気がすごいので、すぐに舌を出して「ハッハッ」としている。
犬は汗をかけないので、そうして体温調節をしなければいけないから。
問題は室内。エアコンが利いた室内ということ。
「夏の寒がり」に気づいたからこそ
「イタグレは寒がり」とは知っていたけれど、それが冬だけじゃないなんて——
ベルと暮らしてみなければ気づけなかったこと。
冷房で寒がっているのに気づかず、「快適だろう」と思い込んでいたら、体調を崩してしまうかもしれない。
だからこそ、夏でも“ぬくぬく”を意識することが、寒がりイタグレと暮らす上でとても大事だと感じている。
クールマットも夏服も活躍できなかったけれど、ベルの居心地がいいならそれでいい。
この夏もベルが快適に、そしてぬくぬくと過ごせますように。
そして、同じような“夏の寒がり”ワンコたちが、暑くも寒くもなく元気に、そして幸せに過ごせますように。